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内容証明で売掛金を請求する手順と文例

この記事の結論
  • 内容証明郵便は「送った事実と内容」を郵便局(日本郵便)が証明するもので、それ自体に支払いを強制する効力はない(心理的圧力と時効を止める効果が主な役割)
  • 字数制限は縦書き1行20字・1枚26行以内、横書きは3パターンから選ぶ(日本郵便公式)
  • 同じ文書を3通(相手送付用・自分保管用・郵便局保管用)作る
  • 窓口のほか24時間ネットから送れるe内容証明もある
  • 催告による時効の完成猶予は6か月(民法150条)で、その間に次の手を打つ必要がある
この記事の内容
  1. 結論:内容証明は型に沿えば自分で出せる
  2. まず、内容証明まで踏み切っていいのか迷うのは当然
  3. 内容証明郵便とは何か、何ができないか
  4. 内容証明郵便を送る前に確認すること
  5. 書き方のルール:字数・行数・通数
  6. 文例:売掛金請求の内容証明
  7. 出し方の手順:郵便局の窓口とe内容証明
  8. 送ったあと、応答がない場合の流れ
  9. 実体験:内容証明そのものより「タイミングの判断」が難しかったこと
  10. 次にやること

この記事は、取引先への支払い催促に応答がなく、内容証明郵便を出そうか迷っている小規模事業者・一人社長に向けて書いています。 結論から言うと、内容証明郵便は決まった「型」に沿えば弁護士に頼まなくても自分で作成・発送できます。必要なのは、字数と行数のルールを守った本文、同じ内容の書面3通、そして郵便局の窓口(または後述するネット経由のサービス)です。この記事では、実際に使える文例と、窓口・ネットそれぞれの出し方、送ったあとにどう動くべきかまでを順番に説明します。

こんな状態ではありませんか
  • 内容証明郵便という言葉は知っているが、何をどう書けばいいのか分からない
  • 弁護士に頼まないと出せないものだと思っている
  • 送ったあと、相手が無視したらどうすればいいのか不安

結論:内容証明は型に沿えば自分で出せる

内容証明郵便は、専門家に依頼しなければ作れない特別な書類ではありません。日本郵便が定める字数・行数のルールを守った本文を用意し、同じ内容の書面を3通(相手に送る分・自分の控え・郵便局の保管分)作成すれば、窓口で誰でも差し出せます。近年は郵便局へ行かずインターネット経由で24時間送れる「e内容証明」というサービスもあります。

内容証明郵便そのものに、相手に支払いを強制する法的な効力はありません。あくまで「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が証明するものです。それでも、書面での記録が残ること自体が心理的な圧力になり、また時効の進行を一時的に止める効果もあるため、督促の中で意味のある一手になります。

まず、内容証明まで踏み切っていいのか迷うのは当然

ここが要点

内容証明郵便という言葉には「裁判の一歩手前」というイメージがあり、実際に出すとなると身構えてしまうのは自然な反応です。今後の取引を完全に断つ覚悟がないと使えない手段だと感じるかもしれませんが、実際には「書面で正式に記録を残す」という段階のひとつであり、これを送ったからといって必ず裁判になるわけではありません。迷っている段階で、すでに次の一手を具体的に検討できています。

資金繰りが厳しく心身に不調が出ている場合は、この記事の情報より先に、医師や産業医への相談を優先してください。ここから先は、具体的な書き方と出し方を見ていきます。

内容証明郵便とは何か、何ができないか

内容証明郵便は、日本郵便が提供する郵便オプションのひとつで、差し出した文書の内容・差出人・受取人・差し出した日付を郵便局が証明するサービスです。裁判になった場合、「いつ、どのような内容の請求をしたか」を示す証拠として使えます。

一方で、次のことはできません。

  • 相手に支払いを強制すること(強制執行の効力はない)
  • 相手が内容証明を無視した場合に、自動的に次の法的手続きが進むこと
  • 相手が受け取りを拒否した場合、配達したものとして扱われるとは限らない(不在・受取拒否の場合は改めて対応が必要になる)

「送っただけで終わり」にせず、応答がなければ次の手段(支払督促・少額訴訟など)に進む前提で使う書面だと理解しておくことが重要です。

内容証明郵便を送る前に確認すること

いきなり内容証明郵便を送るのではなく、次を確認してから進めるべきです。

確認事項 理由
請求書・契約書・発注書など取引の証拠があるか 内容証明本文に記載する金額・取引内容の根拠になる
事実確認・書面での催告を先に行ったか いきなり強い手段に出ると関係修復が難しくなる
相手の正確な住所・宛名(会社名・代表者名または担当者名) 誤りがあると届かない、または証拠として弱くなる
消滅時効(原則5年、民法166条1項)が迫っていないか 迫っている場合は確認より先に送付を優先する

すでに電話・メールで確認済みで応答がない、あるいは時効が近づいている場合は、この段階を飛ばして内容証明に進んでも構いません。

書き方のルール:字数・行数・通数

内容証明郵便には、日本郵便が定める字数・行数の制限があります(日本郵便公式サイト「内容証明 ご利用の条件等」で確認)。

書き方 制限
縦書き 1行20字以内・1枚26行以内
横書き(パターン1) 1行20字以内・1枚26行以内
横書き(パターン2) 1行13字以内・1枚40行以内
横書き(パターン3) 1行26字以内・1枚20行以内

1枚に収まらない場合は複数枚にして構いません(枚数の上限はありません)。記号は原則1字として数え、括弧は開き・閉じを合わせて1字として数えます。

作成する通数は次の3通です。

  1. 相手に送る分(郵便局が消印・証明をして発送)
  2. 自分の控え(同一内容。手元に保管)
  3. 郵便局の保管分(謄本として5年間保管される)

3通とも文字・体裁が完全に一致している必要があります。訂正した場合は、訂正箇所に押印し、欄外に「◯字削除◯字加入」のように記載するのが一般的です。手書き・ワープロ・パソコンいずれでも作成できます。

料金は、通常の郵便料金に加えて、内容証明の加算料金(謄本1枚で480円、枚数が増えるごとに加算)、一般書留の加算料金(480円〜)、配達証明を付ける場合はさらに加算されます(※2026年8月時点、日本郵便公式サイトで確認)。配達証明は必須ではありませんが、「相手にいつ届いたか」も証拠に残したい場合は併せて利用することをおすすめします。

文例:売掛金請求の内容証明

以下は一般的な構成の文例です。実際の取引内容・金額・期日に置き換えて使ってください。あくまでひな形であり、契約内容によって記載すべき事項は変わります。

通知書

貴社との間で締結した令和◯年◯月◯日付業務委託契約(または取引基本契約)に基づき、貴社に対して令和◯年◯月◯日納品分の代金として金◯◯円を令和◯年◯月◯日を支払期限として請求いたしましたが、本書面到達日現在、入金の確認ができておりません。

つきましては、本書面到達後7日以内に、下記口座宛にお支払いくださいますようご通知いたします。期限内にお支払いいただけない場合、やむを得ず法的手続きを検討させていただきます。

請求金額 金◯◯円 振込先 ◯◯銀行 ◯◯支店 普通 ◯◯◯◯◯◯◯ 口座名義 ◯◯◯◯ 支払期限 令和◯年◯月◯日

令和◯年◯月◯日 (差出人 住所・氏名または商号) (受取人 住所・氏名または商号) 御中

「法的手続きを検討させていただきます」の一文は、実際にその後の段階(支払督促・少額訴訟など)に進む意思がある場合にのみ入れてください。書くだけ書いて実行しない対応を繰り返すと、以降の督促の実効性が下がります。

出し方の手順:郵便局の窓口とe内容証明

窓口で出す場合

  1. 本文を3通(相手送付用・自分の控え・郵便局保管用)、同一内容で用意する
  2. 内容証明郵便を取り扱う郵便局(すべての郵便局ではなく、集配局など一部の局に限られる)へ持参する
  3. 窓口で内容証明・一般書留の申込書を記入し、必要に応じて配達証明も申し込む
  4. 料金を支払い、控えを受け取る

e内容証明(電子内容証明)で出す場合

日本郵便の「e内容証明」を使うと、インターネット経由で24時間、自宅やオフィスから送付できます(日本郵便公式サイトで確認)。文書データ(Word形式など)をアップロードすると、日本郵便側で印刷・照合・封緘・発送まで行う仕組みです。窓口の内容証明とe内容証明が同じ制度の電子版である以上、証明される内容(差出人・受取人・日付・文書内容)は同じですが、「法的効力が窓口と同一である」と明言した文言は日本郵便公式サイトには見当たりませんでした(2026年9月確認。複数の法律専門家サイトはe内容証明も窓口と同じ効力とする解説をしています)。窓口へ行く時間が取れない場合や、枚数・通数が多い場合はこちらのほうが手間を減らせます。利用には無料の利用登録に加え、Word 2016/2019/2021またはMicrosoft 365(デスクトップ版)でA4サイズ・所定の余白・文字サイズ10.5〜145ポイントの条件で文書を作成する必要があります(日本郵便公式サイトで確認)。

法的手続きを検討している間の資金繰りをつなぐ手段として、他の取引先に対する売掛金をファクタリングで先に現金化しておく事業者もいます。滞っている売掛金そのものを回収する手段ではなく、あくまで別の健全な売掛金を資金化する仕組みである点は分けて理解しておく必要があります。少額の売掛金から利用できるサービスの例としてラボルがあります(手数料一律10%・少額1万円から利用可能と公式サイトに明記。※2026年8月時点の調査)。

送ったあと、応答がない場合の流れ

内容証明郵便を送った後の展開は、主に3パターンです。

相手の反応 次に取る対応
支払われた、または支払う旨の回答があった 回答内容をメールなど記録に残る形で残す(時効の更新の証拠にもなる。民法152条)
反論・分割払いの相談などがあった 内容を精査し、合意できる条件であれば書面(合意書)を作る
期限を過ぎても無反応 支払督促(民事訴訟法382条〜)または少額訴訟(60万円以下、同法368条)など法的手続きを検討する

内容証明郵便による催告には、時効の完成猶予の効果があります(民法150条)。催告があった時から6か月間は時効が完成しませんが、これは時効期間をゼロに戻す「更新」ではなく、あくまで一時停止です。この6か月の間に次の法的手続きを取らなければ、猶予の効果は失われる点に注意してください。

実体験:内容証明そのものより「タイミングの判断」が難しかったこと

私の場合

正直に書きます。私自身が自分の事業として内容証明郵便を作成・発送した経験はありません。前職では執行役員として管理部門を統括する立場にいたため、この記事は「送った側」の当事者としての体験ではなく、社内の未回収案件で内容証明の使用を検討・判断してきた立場から見てきた事実に基づいています。

担当者から相談を受けたとき、実務として難しかったのは書き方そのものより「今この案件で内容証明を送るべきかどうか」という判断でした。取引を継続したい相手には送るのをためらい、結果的に時効に近づいてから慌てるケースを見たことがあります。効果があったのは、書面での催告から一定期間(たとえば2週間)応答がなければ機械的に内容証明に進む、というルールをあらかじめ決めておくやり方でした。

次にやること

まず、対象の取引について、請求書・契約書などの証拠と、相手の正確な住所・宛名を手元に揃えてください。 そのうえで、この記事の文例をたたき台に、字数・行数のルール(縦書き1行20字・1枚26行以内など)に沿って本文を作成し、3通用意して郵便局(またはe内容証明)で発送します。送付後7日〜2週間の期限を設け、応答がなければ支払督促・少額訴訟などの法的手続きを検討してください。


※本記事は2026年8月〜9月時点の調査に基づく情報整理です。個別の債権回収・法的手続きの要否については、弁護士・簡易裁判所の窓口にご相談ください。文例はひな形であり、実際の契約内容に応じて記載事項は異なります。

出典(2026年9月確認) - 日本郵便「内容証明 ご利用の条件等」(post.japanpost.jp/service/send/domestic/option/syomei/use.html。字数・行数制限、記号・括弧の数え方、謄本枚数ごとの加算料金〈1枚480円・以降増加〉、一般書留の加算料金〈10万円まで480円〉、訂正時の押印・字数記載のルールを確認) - 日本郵便「差出郵便局において保存する謄本の保存期間を教えてください。」(post.japanpost.jp/question/82.html。謄本の郵便局保管期間が5年間である旨を確認) - 日本郵便「内容証明取扱局の一覧」(post.japanpost.jp/service/send/domestic/option/syomei/list/。内容証明を取り扱う郵便局が一部の局に限られる旨を確認) - 日本郵便「e内容証明(電子内容証明)」(post.japanpost.jp/service/send/domestic/web/electronic-certified-mail/。インターネット経由で24時間発送可能な旨、無料の利用登録とWord文書の書式条件〈A4・所定の余白・文字サイズ10.5〜145pt〉を確認。「法的効力が窓口と同一」と明言した文言は同ページ・関連Q&Aページに見当たらなかった) - 民法150条(催告による時効の完成猶予、6か月) - 民法152条(承認による時効の更新) - 民法166条1項(債権の消滅時効、権利行使できることを知った時から5年・権利行使できる時から10年) - 民事訴訟法368条(少額訴訟、60万円以下の金銭支払請求に限る)・382条〜(督促手続。第7編は382条〜402条、391条は督促異議による訴訟移行の規定) - ラボル公式「ファクタリングの手数料はいくら?」(labol.co.jp/insight/factoring-commission/。手数料一律10%・最低利用金額1万円〜を確認。※2026年8月時点の調査) - 実体験部分は運営者本人が前職(執行役員・管理部門統括)で見てきた事実に基づく

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執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。資金繰りの意思決定を経営の側から見てきた経験をもとに書いています。このサイトで紹介するのは手数料の上限を公式に明記している業者だけです。「審査なし」「誰でも通る」を売りにする業者は、載せません。

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