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日本政策金融公庫の融資の種類一覧

この記事の結論
  • 日本政策金融公庫の融資制度は約50前後あるが、小規模事業者が最初に見るべきは「一般貸付」「新規開業・スタートアップ支援資金」「セーフティネット貸付」「マル経融資」「生活衛生貸付」の5つ(公式サイトで確認)
  • 制度を選ぶ入口は「開業前後か、事業を続けているか」「売上が落ちて苦しいのか」「経営指導を受けられるか」という自分の状況の分岐で決まる
  • 新規開業資金は2025年3月に「新規開業・スタートアップ支援資金」へ名称変更されている(公式サイトで確認)
この記事の内容
  1. 結論:まず「開業前後か、事業を続けているか」で分かれる
  2. 制度が多すぎて迷うのは、自分の理解不足ではない
  3. 日本政策金融公庫とは何か
  4. 比較表:代表的な5つの融資制度
  5. 開業前・開業からおおむね7年以内なら「新規開業・スタートアップ支援資金」
  6. すでに事業を続けているなら「一般貸付」
  7. 売上が落ちて苦しいときは「セーフティネット貸付」
  8. 経営指導を受けられるなら「マル経融資」
  9. 生活衛生関係の事業なら「生活衛生貸付」
  10. 自分で決めきれないときは、窓口に電話で聞く
  11. 次にやること

この記事は、日本政策金融公庫(以下、公庫)で融資を検討しているものの、制度が多すぎてどれに申し込めばいいか分からない小規模事業者・個人事業主に向けて書いています。 結論から言うと、公庫には国民生活事業だけで36の融資制度がありますが(2026年9月1日、公式サイトの融資制度一覧で確認)、小規模事業者がまず見るべきは「一般貸付」「新規開業・スタートアップ支援資金」「セーフティネット貸付」「マル経融資」「生活衛生貸付」の5つです。どれに当てはまるかは、自分が「開業前後か、事業を続けているか」「売上が落ちて苦しいのか」という状況で、ほぼ機械的に絞り込めます。

こんな状態ではありませんか
  • 公庫のサイトを見ても制度が多すぎて、自分がどれに当てはまるのか分からない
  • 「創業融資」「セーフティネット貸付」など言葉は聞いたことがあるが、違いが説明できない
  • 間違った制度に申し込んで、審査に時間だけかかるのが怖い

結論:まず「開業前後か、事業を続けているか」で分かれる

公庫の融資制度は名前も条件も似たものが多く、公式サイトの一覧をそのまま読んでも選びにくいのが実情です。ただ、実際に絞り込む手順はそれほど複雑ではありません。

  1. 開業前、または開業からおおむね7年以内なら「新規開業・スタートアップ支援資金」
  2. すでに事業を続けていて、特に業況が悪化していないなら「一般貸付」
  3. 売上が一定以上落ちて苦しいなら「セーフティネット貸付」
  4. 商工会議所・商工会の経営指導を受けられる、または受けているなら「マル経融資」
  5. 飲食店・美容業・旅館業など生活衛生関係の事業なら「生活衛生貸付」

この5つのうち、自分がどれに当てはまるかを次の章から順に整理していきます。

制度が多すぎて迷うのは、自分の理解不足ではない

ここが要点

公庫の国民生活事業だけで融資制度は36あります(2026年9月1日、公式サイトの融資制度一覧で確認)。制度を読んでも違いが分からないのは、あなたの理解力の問題ではなく、単に制度の数が多いからです。 銀行の窓口担当者でも、公庫の全制度を暗記しているわけではありません。

焦って条件に合わない制度に申し込むと、審査だけに数週間かかった上で「対象外」と言われることもあります。まず自分がどの入口に当てはまるかを先に絞ってから、その制度の詳細を確認する順番が結果的に早道です。

日本政策金融公庫とは何か

日本政策金融公庫は、「株式会社日本政策金融公庫法」に基づき設立された、政府が全額出資する政策金融機関です(財務省「政府関係金融機関」ページで確認)。民間金融機関だけでは資金供給が十分でない分野(創業期の事業者、小規模事業者、農林水産業者など)を対象に融資を行う点で、営利を目的とした民間の金融機関とは立場が異なります。事業の種類ごとに「国民生活事業」(主に小規模事業者・個人事業主向け)、「中小企業事業」(中小企業向け・国民生活事業より大口)、「農林水産事業」の3つに分かれており、この記事では小規模事業者・個人事業主が主に利用する国民生活事業の制度を扱います。

比較表:代表的な5つの融資制度

制度名 対象者 融資限度額 返済期間
一般貸付 事業を営むほとんどの業種の方(公式サイトで確認) 運転資金4,800万円・設備資金4,800万円(特定設備資金は7,200万円) 運転5年以内(特に必要な場合7年以内)・設備10年以内・特定設備20年以内
新規開業・スタートアップ支援資金 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方(公式サイトで確認) 7,200万円 設備20年以内・運転10年以内
セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金) 社会的・経済的環境の変化等により一時的に業況が悪化しているが、中長期的には回復が見込める方(公式サイトで確認) 7,200万円 設備20年以内・運転10年以内(いずれも据置3年以内)
マル経融資(小規模事業者経営改善資金) 商工会議所等の経営指導を原則6ヶ月以上受けている小規模事業者(公式サイトで確認) 2,000万円 10年以内
生活衛生貸付(一般貸付) 飲食店・美容業・旅館業など生活衛生関係の事業を営む方(公式サイトで確認) 7,200万円〜4億8,000万円(業種により異なる。上限は一般公衆浴場業2施設以上の場合) 13年以内(一般公衆浴場業は30年以内)

※2026年9月1日時点の調査。各制度の対象者・融資限度額・返済期間は、いずれも日本政策金融公庫公式サイト(jfc.go.jp)の各制度ページで運営者が直接確認しました。金利は基準利率をもとに返済期間・担保の有無・利用者の属性(女性・35歳未満・55歳以上など)によって変動し、申込み時点でないと確定しないため、この表には記載していません。

開業前・開業からおおむね7年以内なら「新規開業・スタートアップ支援資金」

これから開業する、または開業してからまだ7年以内という方は、まずこの制度が入口になります。無担保・無保証人で利用でき、融資限度額は7,200万円、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内と、一般貸付より長期の設計です。

この制度は2025年3月3日に名称が変わっており、以前は「新規開業資金」という名称でした。「スタートアップの方にもご利用いただけることを分かりやすくするため」に名称変更したと、公庫の公式お知らせ「『新規開業・スタートアップ支援資金』に関するお知らせ」(2025年3月3日付)に記載されています(2026年9月1日確認)。また、無担保・無保証人で利用する場合にかつて要件だった「創業資金総額の10分の1以上の自己資金があること」は、2024年4月1日付(一部は同年2月16日)で撤廃され、あわせて融資限度額も3,000万円から7,200万円に、運転資金の返済期間も7年以内から10年以内に拡充されています(公庫のニュースリリース「『スタートアップサポートプラザ』の新設について」2024年4月1日付、別紙「日本公庫のスタートアップ向け融資制度の拡充について」で確認)。この制度の詳しい審査のポイントは、当サイトの記事「日本政策金融公庫の新規開業資金|自己資金なしで通るか」にまとめています。

すでに事業を続けているなら「一般貸付」

すでに事業を営んでいて、開業から7年を超えている、あるいは特に業況の悪化があるわけではないという場合は「一般貸付」が基本の選択肢になります。用途を限定しない、事業資金の基本形の融資制度で、運転資金・設備資金いずれにも使えます。融資限度額は運転資金・設備資金とも4,800万円(特定設備資金は7,200万円)です(公式サイトで確認)。

担保・保証人については、公式サイトに「お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます」と記載されており、絶対要件ではありません(2026年9月1日確認)。ただし実際の可否は個別の審査によります。

売上が落ちて苦しいときは「セーフティネット貸付」

一時的に売上が落ちて資金繰りが苦しいものの、事業自体は中長期的に立て直せる見込みがある、という場合はセーフティネット貸付が対象になります。代表的なものが「経営環境変化対応資金」で、対象になるのは、最近の決算期の売上高が前期または前々期に比べて5%以上減少している方、または直近3ヶ月の売上高が前年同期・前々年同期に比べて5%以上減少しており、かつ今後も売上減少が見込まれる方などです(公式サイトで確認)。融資限度額は7,200万円、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内(いずれも据置期間3年以内)です(公式サイトで確認)。

なお、新型コロナウイルス対応の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済に苦しんでいる場合は、セーフティネット貸付とは別に検討すべき窓口があります。詳しくは当サイトの記事「コロナ融資(ゼロゼロ融資)の返済が苦しいときの選択肢」を参照してください。

経営指導を受けられるなら「マル経融資」

商工会議所・商工会の経営指導員による経営指導を、原則6ヶ月以上受けている(または受けられる)小規模事業者であれば、マル経融資が選択肢に入ります。無担保・無保証人で融資限度額は2,000万円と、5つの制度の中では小さめですが、その分、経営指導という準備を経ているため審査の設計が異なります。今すぐ資金が必要な場面には向かず、数ヶ月先を見据えて動く制度です。条件・流れの詳細は当サイトの記事「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)の条件と使いどころ」にまとめています。

生活衛生関係の事業なら「生活衛生貸付」

飲食店、美容業、旅館業、クリーニング業など、生活衛生関係の事業を営んでいる場合は、一般の国民生活事業の制度とは別に「生活衛生貸付」という専用の窓口があります。同じ「一般貸付」という名称でも、生活衛生貸付のものは融資限度額が7,200万円〜4億8,000万円と、業種・設備の内容によって幅が大きく、通常の一般貸付より大口の資金にも対応します。上限の4億8,000万円は一般公衆浴場業(2施設以上)の場合で、この業種のみ返済期間も30年以内と別枠になっています。それ以外の業種(飲食店・理容業・美容業など)は返済期間13年以内です(いずれも公式サイトで確認)。自分の業種が対象になるかどうかは、業種ごとの詳細条件が異なるため、公庫の窓口または生活衛生同業組合に確認するのが確実です。

自分で決めきれないときは、窓口に電話で聞く

ここが要点

ここまで読んでも「自分がどれに当てはまるか分からない」場合、無理に自分だけで決めようとしなくて大丈夫です。公庫には「事業資金相談ダイヤル」があり、電話で状況を話せば、担当の制度案内をしてもらえます。 制度を間違えて申し込み、審査に時間をかけた末に対象外と言われるより、先に電話で確認するほうが結果的に早く進みます。

窓口では自分の状況(開業前か、開業何年目か、売上の増減、商工会議所の会員かどうかなど)を伝えれば、担当者が候補の制度を絞り込んでくれます。この段階では融資の可否を判断されるわけではないため、気軽に問い合わせて構いません。

次にやること

自分がどの制度に当てはまりそうかを、この記事の5つの分岐(開業前後か・業況悪化があるか・経営指導を受けられるか・生活衛生業か)で仮に絞り込んだ上で、公庫の事業資金相談ダイヤル、または最寄りの支店に電話で確認してください。制度を1つに決めてから書類を揃えるほうが、結果的に申込みから融資までの時間を短くできます。

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執行役員として、会社の管理部門を統括していました

執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。資金繰りの意思決定を経営の側から見てきた経験をもとに書いています。このサイトで紹介するのは手数料の上限を公式に明記している業者だけです。「審査なし」「誰でも通る」を売りにする業者は、載せません。

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