請求書発行ソフトの選び方
- Misoca(弥生)の無料プランは2023年4月1日から月10通まで発行可能・見積書と納品書は無制限(弥生株式会社プレスリリース2023年3月23日付)
- invox発行請求書は標準レイアウトの請求書を毎月15件まで無料で発行できる(invox公式サイト)
- freee請求書は無料プランで作成・送信ができるが、発行通数の上限は公式サイト上で確認できなかった(2026年9月確認)。有料のスタンダードプランは基本料金月額1,980円〜に送信料金(一括発行4,750円/月〜・年600件まで)が別途かかる(freee公式サイト)
- マネーフォワードクラウド請求書に無料プランはなく、クレジットカード登録不要の1か月無料トライアルのみで、期間終了後に自動で有料へ移行することはない(マネーフォワード公式サイト)
- 適格請求書(インボイス)には、発行事業者の氏名等・登録番号/取引年月日/取引内容/税率ごとに区分した対価の額/税率ごとに区分した消費税額等/交付先の氏名等の記載が必要(国税庁「インボイス制度について」)
この記事の内容
この記事は、月に数件〜十数件の請求書を発行する個人事業主・小規模事業者に向けて書いています。 結論から言うと、月10〜15通程度の発行件数であれば、無料プランだけで足りるソフトが複数あります。ただし「無料」の範囲はソフトごとに違い、発行件数の上限だけでなく、インボイス制度の記載事項に対応しているかも確認が必要です。有料化を急ぐ前に、まず自分の発行件数と無料枠を突き合わせることが最初の一歩になります。
- 請求書発行ソフトを探しているが、無料と有料の境目がどこにあるのか分からない
- 月に発行する請求書は数件程度で、いきなり有料プランを契約するのはもったいない気がする
- インボイス制度に対応しているかどうか、どこを見て判断すればいいか分からない
結論:月10〜15通なら無料プランで足りることが多い
請求書発行ソフトを選ぶとき、最初に決めるべきは「有料プランに入るかどうか」ではなく「自分が月に何通発行しているか」です。Misoca(弥生)は2023年4月1日から無料プランの発行数が月10通に拡大され、見積書・納品書は無制限で作成できます(弥生株式会社プレスリリース2023年3月23日付)。invox発行請求書は標準レイアウトの請求書であれば毎月15件まで無料で発行できます(invox公式サイト)。月の発行件数がこの範囲に収まるなら、いきなり有料プランを検討する必要はありません。
無料プランの比較表
主要な請求書発行ソフトの無料プランを整理すると、次の通りです(いずれも2026年9月時点の調査)。
| ソフト | 無料プランの範囲 | 有料プランの目安 | インボイス対応 |
|---|---|---|---|
| Misoca(弥生) | 月10通まで無料。見積書・納品書は無制限 | プラン15:初年度無料、2年目以降年額8,800円(税別)で月15通まで | 対応 |
| invox発行請求書 | 標準レイアウトの請求書を月15件まで無料 | ミニマム:月額1,980円(税込2,178円)+発行1件あたり50円〜 | 対応 |
| freee請求書 | 作成・送信は無料。個別発行の通数上限は公式料金表に記載なし(2026年9月確認) | スタンダード:基本月額1,980円〜+一括発行の送信料月4,750円〜 | 対応 |
| マネーフォワードクラウド請求書 | 無料プランなし。クレカ登録不要の1か月無料トライアルのみ | ひとり法人プラン:年額2,480円/月額3,980円〜 | 対応 |
freee請求書の無料プランは、公式料金表を確認したところ個別発行の通数に上限の記載がなかった(freee公式サイト「freee請求書の料金プランはこちら」2026年9月確認)。上限なしと明言されているわけではないため、大量発行を見込む場合は契約前に公式サイトで直接確認することを勧めます。
Misoca(弥生)の無料プラン|月10通・見積書と納品書は無制限
Misocaは弥生株式会社が提供するクラウド請求書サービスです。無料プランは月額0円で、請求書は月10通まで作成できます(弥生株式会社「クラウド見積・納品・請求書サービス『Misoca』、無料プランの月間請求書作成数が『10通』に拡大」2023年3月23日付プレスリリース)。見積書・納品書は無料プランでも通数の制限がありません(弥生公式サイト「Misoca 料金プラン」2026年9月確認)。10通を超える月がある場合は、「プラン15」への切り替えが選択肢になります。プラン15は初年度無料、2年目以降は年額8,800円(税別)で月15通まで発行できます(弥生公式サイト「Misoca 料金プラン」)。
invox発行請求書の無料プラン|月15件・会計ソフト連携が強み
invox発行請求書は、標準レイアウトの請求書であれば毎月15件まで無料で発行できるサービスです(invox公式サイト「invox発行請求書」2026年9月確認)。自社の登録番号を設定すればインボイス制度に対応した適格請求書として発行でき、仕訳データを生成して会計処理につなげられる点が特徴です(同ページ)。ただし、会計システムへの直接連携機能は有料プラン(ベーシック以上)での提供で、無料プランで使えるのは仕訳データの生成までです(公式サイト料金表、2026年9月6日確認)。連携できる会計ソフトの具体的なソフト名・種類数は公式サイトに明記されていません。無料枠を超えた場合は、初期費用0円で「ミニマム」(月額1,980円・税込2,178円+発行1件あたり50円)などの有料プランに切り替えられます(invox公式サイト)。まず無料枠で試してから、発行件数が増えた段階で有料プランを検討する使い方に向いています。
freee請求書とマネーフォワードクラウド請求書|無料の位置づけが違う
同じ「無料」という言葉でも、Misoca・invoxのように恒常的な無料プランを指す場合と、マネーフォワードクラウド請求書のように期間限定の無料トライアルを指す場合があります。契約前にどちらの意味かを確認してください。
freee請求書は無料プランで請求書の作成・送信ができますが、有料のスタンダードプランは基本料金月額1,980円〜に加えて送信料金がかかり、一括発行の送信料金は月4,750円〜です(freee公式サイト「freee請求書の料金プランはこちら」2026年9月確認。件数の上限は公式料金表に記載がない)。基本料金と送信料金が分かれている点は、他社との比較時に見落としやすいポイントです。
マネーフォワードクラウド請求書には無料プランそのものがなく、クレジットカード登録不要の1か月無料トライアルを提供しています。トライアル期間が終了しても自動的に有料プランへ移行することはありません(マネーフォワード公式サイト)。有料プランは個人事業主・副業向けが月々900円〜、法人向けの「ひとり法人プラン」が年額2,480円(月額換算)/月額プラン3,980円〜です(マネーフォワード公式サイト「個人事業主/副業向け料金プラン」「中小企業向け料金プラン」)。
インボイス制度で外せない6つの記載事項
どのソフトを選ぶにしても、発行する請求書が「適格請求書(インボイス)」として認められるには、次の6つの記載事項を満たす必要があります(国税庁「インボイス制度について」)。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称・登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者(取引先)の氏名または名称
紹介した4つのソフトはいずれも登録番号の設定機能を備えており、この6項目を満たすフォーマットで発行できます。ただし、無料の他のテンプレートやExcelで自作する場合は、この6項目が抜けていないかを自分で確認する必要があります。
無料プランで足りなくなるタイミング
無料プランから有料プランへの切り替えを検討すべきタイミングは、主に次の2つです。
- 発行件数が無料枠の上限(Misocaは月10通、invoxは月15件)を超えた月が続いたとき — 単発で超えただけなら翌月の枠に戻ることもあるため、まずは2〜3か月の推移を見る
- 会計ソフトとの自動連携や、大量送付(郵送代行・一括メール送付)が必要になったとき — この機能は各社とも有料プランでのみ提供されている
逆に言えば、発行件数が少なく、会計処理を自分で別途行っている段階では、無料プランを使い続けても業務上の支障は出にくいということです。
管理部門を統括していた立場から見えたこと
管理部門で経理まわりの業務フローを見ていた経験から言うと、請求書発行ソフトの選定で失敗しやすいのは「機能の多さ」で選んでしまうことです。実際には、毎月の発行件数と、会計ソフトとの連携が必要かどうかの2点さえ押さえれば、選択肢はかなり絞り込めます。調査した範囲では、無料プランの上限は各社とも公式サイトに明記されている(freee請求書の発行通数を除く)ため、契約前に必ず自分の発行件数と照らし合わせることを勧めます。
次にやること
まず、直近2〜3か月分の請求書発行件数を数えてください。 月10件前後ならMisocaの無料プラン、月15件前後ならinvox発行請求書の無料プランが候補になります。会計ソフトとの自動連携を重視する場合は、freee請求書またはマネーフォワードクラウド請求書の無料トライアルで実際の画面を確認してから判断してください。どのソフトを選ぶ場合も、インボイス制度の6つの記載事項(登録番号を含む)に対応しているかは契約前に必ず確認します。
※本記事は2026年9月時点で確認できた各社公式サイト・国税庁の公表情報をもとにした一般的な整理です。料金プラン・無料プランの条件は変更されることがあるため、契約前に必ず各社公式サイトで最新の内容を確認してください。
出典(2026年9月確認) - Misoca無料プランの発行数拡大(月10通、2023年4月1日〜):弥生株式会社プレスリリース「クラウド見積・納品・請求書サービス『Misoca』、無料プランの月間請求書作成数が『10通』に拡大」2023年3月23日付(prtimes.jp/main/html/rd/p/000000185.000015865.html) - Misoca無料プランの見積書・納品書は無制限、有料プラン(プラン15:初年度無料・2年目以降年8,800円税別・月15通):弥生公式サイト「Misoca 料金プラン」(yayoi-kk.co.jp/seikyusho/price/) - invox発行請求書の無料プラン(標準レイアウト月15件無料)・仕訳データの会計システム連携:invox公式サイト「invox発行請求書」(invox.jp/send/)。有料プラン(ミニマム:月額1,980円税込2,178円+発行1件50円〜):同ページ料金表。連携できる会計ソフトの具体的なソフト名・種類数は同ページに記載なし。会計システム連携機能はベーシックプラン以上での提供で、無料プランは仕訳データ生成(売上計上・入金消込)まで(2026-09-06 確認: invox.jp/send/) - freee請求書の料金プラン(スタンダード基本月額1,980円〜、一括発行の送信料金月4,750円〜。件数上限の記載は公式料金表になし):freee公式サイト「freee請求書の料金プランはこちら」(freee.co.jp/invoice/pricing/) - マネーフォワードクラウド請求書の無料トライアル(クレカ登録不要・1か月・自動移行なし)、有料プラン(個人向け月々900円〜、ひとり法人プラン年額2,480円/月額3,980円〜):マネーフォワード公式サイト「個人事業主/副業向け料金プラン」「中小企業向け料金プラン」(biz.moneyforward.com/invoice/price/individual/、biz.moneyforward.com/invoice/price/) - 適格請求書(インボイス)の記載事項6項目:国税庁「インボイス制度について」(nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm)