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事業用の不動産担保ローン

この記事の結論
  • 不動産担保ローンは「担保不動産の評価額」を中心に審査する融資で、決算内容・信用格付けを中心に見る銀行のプロパー融資とは審査の軸が違う(セゾンファンデックス、AIFUL-Pediaで確認)
  • 金利は銀行系の不動産担保ローンで年0.9〜9.0%前後、ノンバンク系で年2.5〜13.0%前後(AIFUL-Pediaで確認)、対して銀行のプロパー融資は年0.8〜5.0%程度(当サイト記事062・HTファイナンスで確認)
  • 借入可能額は担保評価額に対する掛目(LTV)60〜80%程度で決まり、都市銀行・信託銀行は70〜80%、地方銀行・信用金庫・ノンバンクは50〜70%程度にとどまる傾向(アサックスで確認)
  • 利用限度額の目安は銀行系で約1億円、ノンバンク系で最大5億円程度(AIFUL-Pediaで確認)
この記事の内容
  1. 結論:見ているものが「決算内容」か「担保の価値」かで違う
  2. 比較表:銀行のプロパー融資と事業用不動産担保ローン
  3. 違い①審査で重視する項目
  4. 違い②金利の水準
  5. 違い③融資までのスピードと限度額
  6. 計算例:担保評価額3,000万円なら、いくらまで借りられるか
  7. 申込み前チェックリスト
  8. どんな場面で使われるか
  9. 次にやること

この記事は、会社名義または個人名義の不動産を持っていて、「不動産担保ローン」という言葉を見つけたものの、いつもの銀行融資(プロパー融資)と何がどう違うのか分からない経営者・個人事業主に向けて書いています。 結論から言うと、不動産担保ローンは「担保にする不動産の評価額」を中心に審査する融資で、決算内容や信用格付けを中心に見る銀行のプロパー融資とは審査の軸そのものが違います。金利・限度額・審査スピードにもはっきりした差があるため、違いを知らずに窓口へ行くと「思っていた条件と違った」となりやすい分野です。

こんな状態ではありませんか
  • 銀行融資を断られた、または業歴が浅くてプロパー融資のハードルが高いと感じている
  • 不動産担保ローンという言葉は聞いたことがあるが、普通の銀行融資と何が違うのか説明できない
  • 自分の持っている不動産で、実際いくらまで借りられるのか見当がつかない

結論:見ているものが「決算内容」か「担保の価値」かで違う

銀行のプロパー融資は、信用保証協会の保証を付けずに銀行が全額リスクを負う融資のため、決算書の内容・信用格付け・業歴といった「事業そのものの信用力」を中心に審査します(当サイト記事「銀行融資の金利相場|プロパー・保証付き・ビジネスローンの差」参照)。一方、不動産担保ローンは会社や個人が持つ不動産を担保に入れることで、金融機関側のリスクを下げる仕組みです。そのため審査でも「担保にする不動産の評価額」の比重が大きくなり、決算内容に多少の課題があっても、担保の価値次第で借りられる可能性が出てきます(セゾンファンデックス「不動産担保ローンの審査基準とは?」、2026年9月8日確認)。

比較表:銀行のプロパー融資と事業用不動産担保ローン

項目 銀行のプロパー融資 不動産担保ローン(銀行系) 不動産担保ローン(ノンバンク系)
審査で重視するもの 決算内容・信用格付け・業歴 決算内容+担保評価額 主に担保評価額。決算内容は相談ベース
金利の目安 年0.8〜5.0%程度 年0.9〜9.0%前後 年2.5〜13.0%前後
利用限度額の目安 信用格付け・保全状況による 約1億円程度 最大5億円程度
融資までの期間 数週間程度 数週間程度(登記手続きあり) 業者によっては最短数日
担保 原則不要(あれば金利が下がる場合あり) 必須(担保評価額の60〜80%が上限の目安) 必須(担保評価額の50〜70%程度が上限の目安)
業歴・赤字決算への対応 一定の業歴・黒字基調が前提になりやすい 銀行より柔軟だが一定の基準あり 業歴が浅い・赤字決算でも相談できる場合がある

※銀行プロパー融資の金利は当サイト記事「銀行融資の金利相場」およびHTファイナンス(2026年9月1日確認)、不動産担保ローンの金利・限度額はAIFUL-Pedia「不動産担保ローンを比較する8つのポイント」(2026年9月8日確認)による。実際の条件は事業者ごとの信用力・担保物件・金融機関によって個別に変わります。

違い①審査で重視する項目

銀行のプロパー融資では、自己資本比率・収益力・借入依存度などから算出される信用格付けが審査の軸になります(当サイト記事「銀行融資の金利相場」参照)。これに対して不動産担保ローンでは、担保にする不動産の評価額が審査のなかでも特に重要な項目とされています(セゾンファンデックス、前掲、2026年9月8日確認)。

この違いが実務上意味するのは、「決算内容だけで判断されると通りにくい会社でも、価値のある不動産を担保に入れられれば選択肢が広がる」という点です。 ただし担保があれば無条件で通るわけではなく、返済能力・信用情報・資金使途・返済計画も合わせて見られます(同、2026年9月8日確認)。銀行系の不動産担保ローンは決算内容もあわせて見る傾向がある一方、ノンバンク系は決算内容が厳しくても担保不動産の評価や事業計画を踏まえて相談できる場面がある、という違いも指摘されています(AIFUL-Pedia「ノンバンクの不動産担保ローンとは?」、2026年9月8日確認)。

違い②金利の水準

ここが要点

不動産担保ローンは「担保があるから金利が低い」と思われがちですが、レンジで見るとプロパー融資よりむしろ上限が高くなっています。担保が金利を下げる方向に働くのは事実ですが、審査の柔軟さと引き換えに上限側の金利が高めに設定されているという理解が実態に近い形です。

具体的な水準は、銀行のプロパー融資が年0.8〜5.0%程度(HTファイナンス、当サイト記事062で詳述)であるのに対し、銀行系の不動産担保ローンは年0.9〜9.0%前後、ノンバンク系の不動産担保ローンは年2.5〜13.0%前後です(AIFUL-Pedia、前掲、2026年9月8日確認)。金利を左右する主な要因は、契約者(法人)の返済能力、担保不動産の評価額、担保掛目、抵当権の順位(第1順位か第2順位以降か)の4点とされています(AIFUL-Pedia「不動産担保ローンの金利相場や決まり方は?」、2026年9月8日確認)。

違い③融資までのスピードと限度額

不動産担保ローンは担保設定のための不動産調査・抵当権設定登記が必要になるため、銀行融資と同様に一定の日数がかかります。ただしノンバンク系の一部業者では、最短1日での簡易診断・最短3日での融資実行を案内している例もあります(AIFUL-Pediaが紹介するAGビジネスサポートの例。2026年9月8日確認)。すべての業者がこの日数で対応できるとは限らないため、あくまで「速いケースの一例」として見てください。

借入可能額は、担保評価額に担保掛目(LTV)を掛けた金額が上限の目安になります。担保掛目は都市銀行・大手信託銀行で70〜80%程度、地方銀行・信用金庫・ノンバンクで50〜70%程度が目安とされています(アサックス「不動産担保ローンでいくら借りられる?」、2026年9月8日確認)。

計算例:担保評価額3,000万円なら、いくらまで借りられるか

事業用の不動産(担保評価額3,000万円)を担保に入れるケースで、借入可能額の目安を計算します。

前提条件 - 担保不動産の評価額:3,000万円 - 担保掛目(LTV):銀行系70%/ノンバンク系60%(いずれも目安の中央値付近。実際は物件の種類・立地・流通性・借入者の信用情報によって個別に決まる) - 既存の抵当権:なし(第1順位で設定できる前提)

計算結果

区分 担保掛目 借入可能額の目安
銀行系の不動産担保ローン 70% 3,000万円 × 70% = 2,100万円
ノンバンク系の不動産担保ローン 60% 3,000万円 × 60% = 1,800万円

同じ担保評価額でも、掛目が10ポイント違うだけで借入可能額に300万円の差が出ます。掛目は物件の種類・立地・流通性のほか、すでに他の抵当権が設定されているかどうかでも変わるため、上の数字はあくまで目安です。正確な借入可能額は、金融機関が実際に不動産を査定したうえで提示されます。

申込み前チェックリスト

不動産担保ローンの窓口に相談する前に、次の点を確認しておくと相談がスムーズに進みます。

□ 担保にする不動産の名義は自社(または自分)になっているか、共有名義ではないか □ その不動産にすでに抵当権(住宅ローンなど)が設定されていないか、されている場合は残債がいくらか □ 直近の固定資産税評価額や、査定を依頼できる不動産会社の心当たりがあるか □ 資金の使いみち(運転資金か設備資金か、事業性資金に限定されるか)を説明できるか □ 毎月の返済額が、今後の資金繰りに無理なく収まる水準か試算したか □ 銀行系とノンバンク系、少なくとも2社以上の見積もり条件(金利・掛目・諸費用)を比較する準備があるか

チェックが埋まらない項目があっても相談自体はできますが、担保にする不動産の権利関係(抵当権の有無)は、審査の初期段階で必ず確認される項目です。事前に把握しておくと相談が早く進みます。

どんな場面で使われるか

不動産担保ローンは、次のような場面で検討されることが多い調達手段です。

  • 業歴が浅い、または直近決算が赤字で、プロパー融資のハードルが高いと感じているとき
  • 信用保証協会の保証枠(既存借入)をこれ以上増やしたくないとき
  • 銀行融資よりも高い限度額(数千万円〜数億円規模)の資金が必要なとき
  • 資金使途を事業性資金に限定されず、ある程度柔軟に使いたいとき

一方で、担保に入れた不動産は返済が滞れば処分の対象になり得るため、「借りやすいから」という理由だけで安易に選ぶ手段ではありません。返済計画を立てたうえで、プロパー融資・信用保証協会付き融資と条件を比較してから判断することが重要です。

次にやること

まず、担保にできそうな不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を法務局またはオンラインで取得し、抵当権の設定状況を確認してください。 そのうえで、銀行系とノンバンク系の不動産担保ローンを扱う窓口に、それぞれ担保評価額・金利・掛目の見積もりを依頼し、通常の銀行融資(プロパー融資・信用保証協会付き融資)の条件と並べて比較してから、どの調達手段を使うか判断してください。


※本記事は2026年9月時点の調査に基づく情報整理です。金利・掛目・限度額は事業者の信用力・担保物件・金融機関によって個別に変わるため、実際の契約前には必ず金融機関から書面で条件の提示を受け、必要に応じて税理士等の専門家にご相談ください。

出典 - お金のトリセツ by セゾンファンデックス「不動産担保ローンの審査基準とは?通らない理由・銀行とノンバンクの違い・審査前の確認ポイントを解説」https://www.fundex.co.jp/contents/post/39 (2026年9月8日確認) - AIFUL-Pedia「不動産担保ローンを比較する8つのポイントを解説!銀行とノンバンクの特徴も紹介」https://www.aiful.co.jp/media/business-loan/column-0342.html (2026年9月8日確認) - AIFUL-Pedia「不動産担保ローンの金利相場や決まり方は?負担を減らす方法も紹介」https://www.aiful.co.jp/media/business-loan/column-0244.html (2026年9月8日確認) - AIFUL-Pedia「ノンバンクの不動産担保ローンとは?銀行との違いや利用するメリット、注意点を紹介」https://www.aiful.co.jp/media/business-loan/column-0238.html (2026年9月8日確認) - 株式会社アサックス「不動産担保ローンでいくら借りられる?借入可能額の目安と増やす方法を解説」https://www.asax.co.jp/column/1747034616-761556 (2026年9月8日確認) - 当サイト記事「銀行融資の金利相場|プロパー・保証付き・ビジネスローンの差」(記事062。プロパー融資の金利年0.8〜5.0%程度の出典はHTファイナンス「プロパー融資の金利相場はどのくらい?」、2026年9月1日確認)

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執行役員として6年、会社の管理部門を統括する立場にいました。資金繰りの意思決定を経営の側から見てきた経験をもとに書いています。このサイトで紹介するのは手数料の上限を公式に明記している業者だけです。「審査なし」「誰でも通る」を売りにする業者は、載せません。

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